Homebrew Cask を使うと macOS アプリをインストールするのが捗る


Homebrew の拡張である Homebrew Cask を使うと macOS アプリをターミナルから簡単に素早くインストールすることができます.

もう macOS アプリをインストールするために “DMG ファイルをダブルクリックして, アプリのアイコンを Applications フォルダーにドラッグする” のような操作をする必要がなくなります.

Homebrew Cask でインストールできる macOS アプリは, 無料で公開されているものであれば Homebrew Cask の contributors の方々によって, ほとんどインストールできるようにしてくれていますので入手可能性という点でも優れています.

macOS を使っているコンピューターサビーな方は, ぜひ押さえておきたいツールです.

説明する Homebrew Cask のバージョンは 1.6.1 になります.

Homebrew Cask を使えるようにする

Homebrew Cask はあくまで Homebrew の拡張なので, Homebrew Cask を使用するためにはまず Homebrew がインストールされていなくてはなりません.

なのでまだ Homebrew をインストールされていない方は Homebrew のサイトの手順に従ってまず Homebrew をインストールしていただきたいです.

もしくは “Homebrew のインストールと基本的な使い方” を参考に Homebrew をインストールしていただければと思います.

Homebrew がインストールできたら, Homebrew Cask のサイトに書かれているように次のコマンドで Homebrew Cask を使えるようになります:

brew tap caskroom/cask

Homebrew Cask コマンドの書き方

Homebrew Cask は Homebrew 同様 CLI ツールなので “Homebrew のインストールと基本的な使い方” でも紹介していますように, どのようにコマンドを書けばいいのかということを最初に押さえてしまうと, Homebrew Cask がより使いやすくなるかと思います.

また Homebrew の拡張というだけあって, Homebrew Cask コマンドの書き方は Homebrew コマンドの書き方とほとんど変わらないので Homebrew を使っている人ならすぐに使えてしまうと思います.

Homebrew Cask の基本的な書き方は次のようになります:

brew cask <command> [<options>] [<tokens>]

例えば install コマンドに --force オプションを付加して google-chrome というトークンを指定して Google Chrome という Cask が既にインストールされていたとしても再インストールする場合, 次のようになります:

brew cask install --force google-chrome

いくつか Homebrew Cask で使われる用語が出てきましたので, 簡単に説明させていただきます:

  • Cask
    英語で樽を意味し, macOS アプリのパッケージを表します.
  • トークン
    Homebrew Cask コマンドの引数として使われる Cask を指定するための小文字英数字のテキストです.

Homebrew Cask の基本的なコマンド

Homebrew Cask コマンドの書き方を押さえたところで, 実際に Casks をインストールしたりするために, Homebrew Cask の基本的なコマンドを紹介したいと思います.

brew cask search <text>

Homebrew Cask でインストールできる Casks のトークンを文字列で検索します.

検索結果に表示されるトークンは, 他のコマンドの引数として使えます.

文字列 “google” が名前に含まれる Casks のトークンを検索する場合, 次のようになります:

brew cask search "google"

brew cask search /<regexp>/

検索文字列をスラッシュで囲むと, Ruby の正規表現を使って Casks のトークンを検索することもできます.

正規表現を使って “google” という単語で始まる Casks のトークンを検索する場合, 次のようになります:

brew cask search "/^\bgoogle\b/"

brew cask info <tokens>

指定したトークンを通じて特定の Casks に関する情報を表示します.

具体的には Casks のバージョン, 公式サイトの URL, アプリの名前などを表示します.

Google Chrome に関する情報を表示する場合, 次のようになります:

brew cask info google-chrome

brew cask install <tokens>

指定したトークンを通じて特定の Casks をインストールします.

なのでインストールする Casks のトークンがわからない場合, brew cask search (<text>|/<regexp>/)brew cask info <tokens> コマンドを使って見つける必要があります.

もし Google Chrome をインストールしたいけれども, そのトークンがわからない場合, 一例として次のような手順で Google Chrome のトークンを見つけられます:

1. “chrome” という文字列でトークンを検索する:

brew cask search chrome

2. 検索結果に表示された “google-chrome” を Google Chrome と推測して, それを確かめる:

brew cask info google-chrome

3. 表示された情報に https://www.google.com/chrome/ という URL があったので “google-chrome” と言うトークンは Google Chrome の Cask と紐づいていることを確認することができる.

“google-chrome” というトークンが Google Chrome の Cask と紐づいているかどうかというのは, 実際にはこのような手順を踏んで調べてみないとわからないかと思います.

Google Chrome をインストールする場合, 次のようになります:

brew cask install google-chrome

brew cask upgrade

インストールした全ての Casks を更新します.

brew cask upgrade <tokens>

指定したトークンを通じて特定の Casks のみ更新します.

brew cask uninstall <tokens>

指定したトークンを通じて特定の Casks をアンインストールします.

Google Chrome をアンインストールする場合, 次のようになります:

brew cask uninstall google-chrome

brew cask list

インストールした全ての Casks を表示します.

brew cask help

Homebrew Cask の使い方に関する簡単な説明を表示します.

man brew-cask

Homebrew Cask のコマンドではないですが, Homebrew Cask に関する情報を調べたいときはこのコマンドは重宝します.

まとめ

Homebrew Cask の開発状況は現在まだ初期段階で, 将来的にコマンドやオプションなどが変更される可能性がありますが, 実用性は十分にあります.

Homebrew Cask を使うと macOS のアプリをターミナルからイントール, アンインストールできるので, アプリ毎にインストール方法やアンインストール方法を調べる労力がかからなくなります.

僕は macOS のアプリをインストールする時, まずそのアプリが Homebrew Cask でインストールできないかどうか調べて, インストールできるならなんでも Homebrew Cask でインストールしてしまっており, Homebrew Cask は本当に重宝しております.

操作が CLI なので使う方は限られてしまうかと思いますが, macOS を使われている方でターミナルの操作に抵抗がない方, むしろ GUI よりも CLI の方が好きという方にとっては Homebrew Cask はとってもおすすめです.